◆Date 「2005年04月」 の記事一覧 

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天使の詩

何故私は君でなくて、君は私でないのか。子供の頃、そう思った経験のある人は、おそらく少なくないに違いない。きっと皆、そんなことを疑問に持ったことすら忘れているだけで。

Wim Wendersの1987年の作品、「ベルリン・天使の詩」を観る。何年か前、ベルリンを訪れてからずっと、観よう観ようと思いつつ、つい先日まで忘れていた。最近Bruno Ganz主演の映画を目にし、そういえば…と思い出したのだ。埃にまみれたビデオテープ(ずっと以前にテレビ放映されたものの録画)をやっとこさ救出し、ようやく天使の詩に耳を傾けることができたのだった。

正直言って、万人受けする映画ではないと思う。天使が人間に恋をして、人間になる。言ってみれば、それだけのストーリー。何かドキドキするような大事件が起こるわけでもなく、ただ淡々とものがたりが進んでいくだけ。でもそれがいいのだ。

物語の比較的初めの方で、二人の天使がオープンカーの中で、互いに情報交換するシーンがある。天使の一人であるBruno Ganzは言う。時々霊でいることにうんざりすることがある、と。そして、新聞を読んで指先が黒く汚れたり、靴を脱いでつま先を伸ばし、裸足の感触を味わったりできれば、どんなにか気持ちのいいことだろうな、と続ける。淡々とした彼の語りが、何故だか心の隅々まで染み渡って、なんてことはない場面なのに、思わず涙がこぼれそうになった。当たり前だと思っていたことが、実はどんなに幸福なことだったかを気づかせてくれる、静かで優しい、とてもいいシーンだと思う。

全体を通して、詩のような映画。そういう意味ではなかなか良い邦題なのではないだろうか。Als das Kind Kind war,…(子供が子供であったとき、…)から始まる文章が、映画のあちこちに散りばめられているが、これはおそらく誰かの詩の引用なのだろう。冒頭の子供の頃に感じた素朴な疑問も、その詩の一部。そうそう、確かにあの頃そう思ったよね、そう頷きながら、耳に心地よい朗読にしばし酔う。

日々の生活に飽き飽きしている人、刺激のない毎日に嫌気が差している人、そんな人に是非観て欲しい。つまらないと思っていた日常が、きっと愛おしく思えてくるから。

見れば見るほど

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ガチョウか何か、鳥の頭のようだと思うのは私だけだろうか。
エズの高台にある、熱帯庭園にて。

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場所が違えど

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エズ村に咲く、三月の桜。
今頃はもう花盛りを過ぎて、散っている頃だろうか。
場所がどこであれ、淡い桜色の花びらが散りゆく様子には、
何らかの感慨深さを覚えずにはいられない。

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迷い込んで

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敵の侵入を阻むためなのか、この村は迷路のように細い路地が入り組んでいる。
方向音痴の私が、一人思うが侭に歩いていたのでは、必ずや迷子になってしまったことだろう。
くねくね、くねくね。
ここはどこへと続く道?

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おとぎの国で

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この村はきっと、女性に人気のある村に違いないと思う。
石造りのかわいらしい建物に囲まれた路地を歩くと、
まるで絵本の中の世界に紛れ込んだような気がしてくる。
ドイツのロマンティック街道沿いの町もこんな感じだけれど、
決定的に違うのは、ここでは青い空を仰ぎ、青い海を見下ろせるところ。

それにしても、山の上にこんなメルヘンチックな村があるなんて。

散策中

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地図もなくて、どこに何があるかも分からないまま、適当に歩き始める。
さすがに高いところまで登ってきた。心なしか空が近くなった気がする。

ひんやりとした石の感じは、歩き疲れた体に心地よい。
そんな折に見つけた、かわいらしい木製のドア。
一体何の入り口だろう、そう思ってその場はすぐ立ち去ったのだが、

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名産品?

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ようやく辿り着いた頃には、60分はとっくに経過していた。
頂上で売られていたのは、様々な種類のスパイスや石鹸。
汗だくで登った身としては、冷たいお水の方がありがたかったのだけど。

鷲の巣村への長い道程

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翌日はニースとモナコの間にある村、エズへ。
そもそもバスではなく、電車に乗って行ったのが間違いのもと。
曜日も時間帯も悪くて、丁度バスもなく、仕方なく「ニーチェの道」を歩いていくことに。
「村まで60分」の表示を見て、登る前からぐったり。

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ピカソに会いに

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ピカソ美術館は、バルセロナとパリに続いて、アンティーブでもう三つ目だ。
そのせいか、ここでの作品群には少々物足りなさを感じた。
バルセロナで初めて、一度にあれだけたくさんのピカソの絵を見た、
あの衝撃を、私はきっと未だに忘れられないということなのだろう。
私の中では「ピカソ美術館=バルセロナのピカソ美術館」という図式が成り立ってしまっている。
記憶というものは、年月が経つにつれて薄れていくものだろうに、
ピカソ美術館に関しては、それが全く逆で、つい最近見たはずのアンティーブのものより、
パリや、そのずっと前に見たバルセロナに置かれている作品の方を、
より鮮明に思い出すことができるのだから、不思議なものである。
とはいえ、素敵であることには変わりはない。
ここで気に入ったのは一連のお皿の絵。これはかなりツボ。
あれもこれも、全部持って帰って、部屋に飾りたくなってしまう。
そして、彼の鉛筆の線にはゾクゾクする。何度見ても。
一筆の、あんなになめらかな線は、描けそうで絶対描けない。

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ワタシヲキズツケナイデ

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殺風景で乾燥のひどい我が家に、また新しい植物がやってきた。
彩りと湿度が増して、随分と気分がいい。

今日購入したのは、小さな鉢植え四つと、ハーブが二つ、少しばかり背の高い観葉植物一つ。
本当は、この写真のようなもっと大きな葉の、南国の香り漂うものが欲しかったのだけれど、
暖かい所で育つ植物は、室内では難しいということで、敢え無く断念した。
庭もベランダもないというのは、こういうときに困ってしまう。

それにしてもこの葉っぱ、ものすごく痛々しい。
ピカソ美術館のあるグリマルディ城の側で見つけたもの。
誰かの落書きなのだろうか。
痛いから傷付けないで。そんな悲鳴が聞こえてきそうで、とても悲しい。

後ろ髪引かれつつ

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こじんまりとした浜辺には、思い思いの格好をした人が大勢、ずらりと並ぶようにして座っていた。
半裸で日光浴をする人、両足を水に浸しながらのお喋りに忙しい人、サングラスをかけて一人静かに読書に勤しむ人。
ここに誰よりも遅く来て、誰よりも早く帰った私は、きっと何か損しているのだろう、とは思うのだけれど、
忙しい旅行者ゆえ、それは致し方ない。美術館の閉館時間は刻々と迫ってきているのだから。
おもいっきり後ろ髪を引かれる思いで、私は砂浜にさよならした。

香りの記憶

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風に乗った海の香りが嗅覚をくすぐると、何ともいえないほわんとした、
懐かしい気持ちになるのは何故だろう。
海の近くで育ったというわけでもないのに。

でもそんな気分の時、小さなボートを見てしまったら、
「乗りたい」とか「どこかへ行きたい」ではなくて、
思わず「帰りたい」と思ってしまうのだから、
やっぱり故郷を思い出す何らかの要素がそこにあるんだろう。

海の香りは日本の香り?
嗅覚は五感の中で、一番記憶を鮮やかに蘇らせるものだと思ってしまう。

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ちらり、のつもりが

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南仏名物を味わった後、ピカソ美術館へ足を向けた。
その前に海をちらりと見ておくかな、そんな軽い気持ちで道路を渡ると、
突然私の目に、鮮やかな美しいブルーが映りこんだ。
その色に吸い込まれるようにして、その浜辺へと急ぐ私。
結局ちらり、なんて無理だったわけだ。

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次回訪れるまでには

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翌日は電車でアンティーブへ。
朝寝坊のせいで、着いた時にはもうお昼過ぎ。
まずは腹ごしらえと、目に付いたレストランに適当に入る。

フランス語はせいぜい挨拶程度の知識しかない私には、
当然のことながら、レストランのメニューすら満足に解読できない。
ドイツ人の友人に「フランス人は英語話さないのに、大丈夫?」
なんて心配されていたけれど、思いのほか皆上手に英語を話すではないか。
おかげで旅行中、不自由な思いをすることはあまりなかったけれど、
やはり、その土地の言葉を話せないというのは、なんとなく淋しい。
次回までにはフランス語をマスターするべし、と(毎度のことながら)心に誓う。
一度もその決心通りに実行したことがないのが、我ながら情けないところなのだが。

せめて料理の注文ぐらい・・・

輝く黄色

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海に飽きた私は、それからほどなく旧市街を歩くことにした。
建ち並ぶ土産物屋を冷やかしながら、狭い路地をゆっくりと。
ふと見上げると、狭く切り取られた空をさらに覆うようにして、
洗濯物がひらひらと舞っていた。
同じヨーロッパでも、ドイツでは絶対見られない光景。

この街の好きなところは、建物の外観。
外壁の色や窓の形は、どこを見てもいかにも南仏、といった薫りがする。
小さな窓がたくさんついた、黄色い壁は、特に私のお気に入り。
明るい黄色が青い空によく馴染む。

太陽が燦々と照る昼間ももちろんいいのだけれど、
夕日が遠くから差し込むこの時間帯が、案外その黄色を一番引き立てる時かもしれない。

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