◆Date 「2005年01月」 の記事一覧 

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わたしは容疑者?

先週のこと。

家に一人でいるときは、インターホンにも出ないことにしているわたしは、
ドアのベルが鳴るも、いつものように無視していた。
すると、誰かが表の戸を開けたらしく、その人たちは我が家の前までやってきて、ドンドンとひどくドアを叩く。
覗き穴から見ると男性が二人。怖くなって、その日はひっそりと家に閉じこもっていた。

そして昨日。朝から調子が悪くてベッドに横になっていると、またベルが鳴る。
同居人が応じると、なんと警察だという。しかも私に用事があると。
すっきりしない頭で無理矢理起きてみると、先日の男性二人組みだということに気づいた。
なんだ、あれは警察だったのか、とあの気持ち悪い思いから解放される一方、
何故私にこの人たちが用があるのだろう、と不安に駆られる。

あなたは***に住んでいましたね、と私の古い住所を言うので、その通りだと答えると、
彼らは私に数枚の写真を見せながら言った。
あなたの以前の住まいの、真向かいのアパートの一室の窓が、空気銃で壊されたんです、と。

最初、撃たれた、という単語を聞いて早合点した私は、
てっきり私の前の家の側で殺人事件でもあったのかと、一瞬ひやりとしたのだが、
そうではなく、窓ガラスが割られただけだったのだが、それでも十分物騒な話だ。
何か不審な音を聞きませんでしたか、などと聞かれたが、もはや半年以上の前の話のこと、全く覚えがない。
その辺りまではふむふむと聞いていたのだが、次の警官の言葉を聞いて、私は驚愕した。
なぜなら彼はこう言ったのだから。
あなたの部屋から撃ち込まれた可能性が非常に高いのです、と!!

銃はお持ちじゃないですよね?というので、そんなもの、今まで見たことも触ったこともない、と答えると、
彼らは裁判所の礼状を持ち出してきて、でも一応規則なので調べさせてもらう、という。
うわぁ、こんなの初めて見たよーとびびりながらも、もちろん見られてマズイものなどないので、承諾する。
しかし彼らの探し方もいい加減なもので、本当に「一応」しか探さないのに驚いた。
こいつはやってなさそうだなと思ってくれたのだったらいいのだけれど・・・

結局、何も見つかりませんでした、という調書を置いて、彼らは去って行った。
「そうそう、言い忘れたけれど、あけましておめでとう!」なんて笑いながら。

彼らの顔を見ていると、もはや私を疑っているようには見えなかったけれど、
こちらは気持ち悪くて仕方がない。
ひょっとしたら、私の留守中に、誰かがうちに入ってきて発砲した、ということだって考えられるわけだ。
警察は、恐らく犯人は鳩を狙っていて、
たまたま鳩が飛び立ったところを撃って窓ガラスが割れてしまったのではないか、などと言っていたが、
でも誰が何のために、そんなことをうちからしなければならないのか、理由が全く分からない。
まあ恐らくは、誰かが悪戯で、他の部屋から撃ったに違いないのだが、
さすがに私の部屋から撃った「高い可能性がある」なんて言葉を聞くと、冷静ではいられなくなる。

身に覚えが全くないのに疑われることが、こんなに恐ろしく気持ち悪いことだなんて。
しかも、昨年春の事件を、何故今頃調べているのだろう。
あの時は動転して尋ねることもできなかったが、考えれば考えるほど、頭がごちゃごちゃしてきて、
元々悪かった体調は更に悪化して、とうとうその日は一日中何も食べられず、寝込んだままだった。

ちゃんと犯人が分かったら、私にも知らせてくれるのだろうか。
その日が来るまで、このもやもやした思いは消えそうにない。
新年からまったくツイてない話である。とほほ。

抱きしめていますか

両親と久々に会った時、抱擁するか。これは、とある年配のドイツ人女性と談話中、尋ねられたことである。
Nein(いいえ)と答えると、彼女もやっぱりNein!!!と叫んで、それはそれは驚いていた。
「じゃあどうやって、お互いの愛を確かめ合うの?あなたはどうやって両親の愛を受けていると感じるの?」と。

体の触れ合いがないのなら、せめて言葉でコミュニケーションを図っているのだろう、と思った彼女は、
引き続きわたしの話を聞いて、さぞかし日本は冷たい国だと思ったに違いない。
こちらの人は愛してるだとか、お前はわたしの誇りだとか、世界で一番大切な宝物だとか、
大人になっても言い合うけれど、日本人は小さな子供へでもない限り、そうそう言わないと思う、
わたしがそう言うと、彼女は「わたしは絶対日本には住めないわ」と苦笑していた。


これは実話なのよ、と彼女が一つの物語を聞かせてくれた。
「多分18世紀だったと思うけれどね、その頃あるフランスの王様の所へ、猟師が赤ん坊を連れてきたの。
聞けば山の中で見つけて拾ったのだというから、それを聞いた王様は考えた。
赤ん坊に良い食事を与えていれば、誰かが話しかけたり抱きしめたりしなくても、
いずれ成長して、言葉を話すようになるだろう。その時、最初に話し始めるのは何語であろうか。
常々、フランス語は全ての言語の大元になっていると思っていた王様は、もし自分の考えが正しければ、
その言葉はフランス語に違いないと思ったわけ。うむ、今こそそれを試すよい機会かもしれぬ。
そしてその子はよい食事を与えられはしたけれど、誰からも話しかけられず、誰からも愛されなかった。
その赤ん坊は一体どうなったと思う?」

フランス語どころか、どんな言語も話せなかったでしょうね、と言うと、
そんなの当たり前よ、他に思い当たることは?と聞かれて返答に困っていると、彼女は言った。
死んじゃったのよ。愛が受けられない子は、死んじゃうのよ、と。


とりあえず四半世紀を過ぎてもなお生きているわたしは、おそらくきっと、親の愛を受けて育ったのだろう。
抱きしめられて、褒められて、愛されて、そうやってこれまで生きてきたのだろう。
だが幼少の頃はともかく、大人になってから、それを体温で、確固とした言葉で、
我々日本人が親と子で、お互いを確かめ合うか、というと、大部分の人の答えはやはりNoだろうと思う。
正直言って、今の現状は、決して上手くいっていると断言できるような親子関係ではなく、
寧ろ問題は山積みで、なかなか解決できるものではない種類のものをお互い抱えてはいるのだが、
それでも、わたしたちはきっと態度に示さなくても、言葉で言い表さなくても、
愛し愛されていることに、決して疑いを持っているわけではないのだ。
しかしながら、冒頭の質問をした彼女にそう言っても、およそ分かってもらえないに違いない。
恐らくは日本特有の「言わなくても分かる」文化は、彼女らドイツ人には想像すらできないだろうから。


最後に彼女はこう言って締めくくった。
「あなたももうじき結婚して、子供を持つことになるでしょうね。
そうしたら、これだけはお願い、どうか子供をいっぱいいっぱい抱きしめてあげて。
その部分だけは、日本の文化で育てないであげてちょうだい」
あまりに真剣にお願いされるものだから、思わず笑ってしまったわたし。
さすがに日本人だって、子供には無償の愛を注ぎ込みますよ、抱きしめるし声もたくさんかけるし…
そこまで言うと、彼女はようやく安心した顔になって、初めてにっこり微笑んでくれた。

降ろされる理由

信号待ちしていると、掃除道具を抱えて一台一台の車を廻っては、
窓拭きしようと試みる人が、必ずと言っていいほどいる交差点がある。
もちろんサービスなどではなく、誰かが小遣い稼ぎにやっていることなのだろう。
古い上にかなり汚い我が家の車などは、それの良い標的となるらしく、つい先日も
「どう?」
「いや、結構」
「でも窓、えらく汚れてるよ?」
「いや、悪いけどそれでも必要ないんだ」
なる会話(正確に言うと窓越しだからジェスチャーか)を繰り広げたばかりである。

年末、それとは別の交差点でのこと。
すぐ目の前に停車中の車から、一人の中学生ぐらいの男の子が降りてきた。
てっきりその子が、母親か誰かに窓拭きでも頼まれたのだろう、とわたしが思ったのは、
その場所が交差点であったことで、上記の窓拭き隊を連想したからかもしれない。
それに、交差点などという危ない場所で人を降ろす理由が、わたしには他に思い当たらなかったのだ。

ところが、だ。
次の瞬間信号が青に変わった途端、その男の子を再び乗せることなく、車は発進したのだ。
彼にその場所で降ろしてもらう意志がなかったのは、彼の慌てぶりを見れば一目瞭然。
さては後続車に迷惑だから、恐らくは先の停めやすい地点まで行くつもりなのだろう、
そう思いつつその車を目で追っていたのだが、行けども行けども、
元の場所に引き返すどころか、停まる気配すらない。
最初は一生懸命走って追いかけていたその子も、最後には諦めて呆然と立ち尽くす様子は、
何とも悲哀に満ちた光景であった。

しかし何故彼は降ろされてしまったのか。運転手はどうやって彼を自ら降りるように仕向けたのか。
その後車内では、他愛のない空想に大いに盛り上がった。
あっけにとられた表情をしていたあの子には悪いけれど。
あれから彼は一体どうしたのだろうか。無事に家まで辿り着けたのだろうか。
未だに気になって仕方がない。

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